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                        その1 ポルトフィーノ (東リヴィエラ、イタリア) 
                        6月のある日、ロンドンから飛行機で約1時間半でジェノバに到着。この街のちょっとダウンタウンな雰囲気も良いが、やはり夏は心地よい海風や緑の風景を満喫したい。昼休みで店が一斉に閉まった後、思い立って、ジェノバのプリンチペ駅から列車に乗り、
                        サンタ・マルゲリータ・リグレ駅に向かう。目指すは、ポルトフィーノ。実は、昨年も、チンクエテッレを訪れる前に立ち寄った
                        場所なのだ。車の旅もいいが、列車の窓から眺める風景が大好き。特にジェノバから東リヴィエラにのびる海岸、おだやかなティレニア海と
                        パインツリーの濃い緑、海辺や山間に建つ豪奢な美しいヴィラ、可愛いホテルや家並みの眺めが最高。途中のNerviの駅に建つ、ホテルマリネラを見るたびに、ついパタリロを思い出してしまう。 
                        
                        ポルトフィーノはヨーロッパ有数の高級リゾート地だ。といっても、美しい入り江にパステルカラーの家が立ち並ぶ、素朴なとても小さな村。本当のセレブな人々は陸地からのアクセスが難しい、隠棲した場所
                        にある別荘でバカンスを楽しむそう。かつては海から自家用ヨットやクルーザーでしか入ることしかできなかったが、今では、
                        近隣のサンタ・マルゲリータ・リグレなどから、フェリーや市バスで日帰り観光客が訪れる。
                        途中には、ラファエル前派のロセッティのヴィラもある。
 
                          
                        ポルトフィーノのネコ。イタリアは外ネコが多い。 セレブといえば、地元人から聞いたところによると、つい2、3週間前にブラッド・ピットが、マット・デイモンだかジョージ・クルーニーだかと一緒にクルーザーで乗り
                        つけ、ポルトフィーノ随一の高級ホテル Hotel Splendido に食事をしに来たという。
 小さい港なのに、おみやげ屋とともに、エルメスやグッチ
                        、ロロ・ピアーナ、といった高級ブティックが軒を連ねている。それらを横目に、眺望を求めて岬に向かう。岬は小高い丘になっていて、緑豊かな小道を上っていくと、途中に黄色いファサードのサンジョルジョ教会、さらに上るとブラウン城がある。小さな庭付きの小さなお城からは、緑の木立の中にひっそりとたたずむヴィラや、ポルトフィーノの港が見渡せる。
                        ここでは、人も少なく、静かにゆっくりと景色を楽しむことができる。内部では、ポルトフィーノを訪れた、往年のセレブたちの写真展が催されている。ここから、さらに足をすすめると、小さな灯台に辿り着く。ここの「Bar 
                        Faro」で、ジェラートを買い求め、ティレニア海を行き来する帆船ヨットなどを眺める。   
                             真っ青な空と黄色い教会のコントラストがまぶしい。
                        丘の途中にある、タイルの案内板。灯台にある'庶民的'なバール。
 夕暮れになって、港にある
                        セレブ御用達のサンダルショップ「Mingo」 
                        でかわいいトングをゲット。しかし、札幌の夏ではあまり活躍しそうにない...。   
                             
                        風光明媚なポルトフィーノの港、ブラウン城からのながめ。
                         Mingo のトング。   
                        夜8時でもカンカンに明るいが、そろそろジェノバに戻るべく、バスでサンタ・マルゲリータ・リグレ駅へ。イタリアの国鉄は
                        イギリスに比べればずっと安いし、結構便利で列車の乗り心地もまあまあ。
                        鈍行列車の遅れはどこでも同じだから多少は我慢するとして、問題は頻繁にあるストである。 
                        駅で明日はショーペロだと知らされる。「しょーぺろ?スト?また?明日、ルッカに行くのにまずい。」 
                        ジェノバの駅で窓口のおじさんに問い合わせをするが、「明日にならないとわからない、明日の朝また来い」の一点張り。幸い、明朝の列車は多少遅れていたが、動いていた。 |