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No.7.... 2008年 夏  イタリアのスピリチュアルな旅 アッシジ編その1 2008.8記

 

ASSISI ! 

6月半ば、ロンドンからフィレンツェ経由で、イタリア中部ウンブリアの小さな街、アッシジを訪れました。

アッシジは、フランシスコ会の創立者サンフランチェスコの生地として有名で、カトリックの巡礼地として、また「アッシジ、フランチェスコ聖堂と関連修道施設群」は世界遺産にも指定され、中世の美しい町並みとともに、旅行者にもとても人気があります。

初めて訪れたのは、1997年にこの地に起きた大地震で聖堂が崩れてしまった(その後修復)よりも昔の、冬の終わりのことでした。その時に見た、画家「ジョット」によるフランチェスコの生涯28の場面を描いた、 聖堂のフレスコ画が忘れられず、この度再び訪れることにしました。

 

 

サンフランチェスコについて

 

フランチェスコ(本名 ジョヴァンニ・ディ・ベルナルドーネ)は、12世紀後半、 イタリア中部ウンブリア地方アッシジの町に、織物商人であった父親とフランス人の母との間に生まれました。フランチェスコとは「フランス風」の意味 の愛称だそう。

裕福な家庭に生まれ、放蕩生活を送っていたフランチェスコ は、騎士としてペルージアとの戦いで捕虜となり、病気にかり、生死の境をさまよう。それを機に信仰と清貧の道に進み、全ての財産を放棄して家を出て、ハンセン氏病患者に奉仕し、荒れ果てたサンダミアーノ聖堂の修復再建を行うなどしました。1208年に福音書の三節「従順・清貧・貞潔」を自らの戒律とし、弟子たちとともに各地を放浪し、説教を続けました。1210年ローマ教皇インノケンティウス3世に謁見し、修道会設立を承認され、やがて会は全ヨーロッパに広がっていきました。 晩年には手足と脇腹にイエスと同じ聖痕(スティグマ)が現れたと言います。
 

サンフランチェスコ大聖堂と修道院と町並み

国鉄アッシジ駅前から、オレンジ色のバスに乗ること5分、山の中腹の細長い台地にアッシジ旧市街は位置します。

アッシジ駅のホーム。 中世の面影が残る家。

丘の上にあるので石畳の細い路地と急な坂道が多い。 あちこちで修復作業が。まるで映画の舞台裏のよう。

アッシジの建物はこの地特有の白とピンクの石で出来ており、美しい。

壁にはゼラニウムの鉢植え 古いフラスコ画が残る建物も。

 

サン・フランチェスコ大聖堂 (Basilica di San Francesco)

アッシジの街の最西端に位置するサン・フランチェスコ寺院。 フランチェスコは死後聖人に列せられ、サン・フランチェスコ教会の建設が始まり、上下2段の上堂部分はゴシック様式、下堂の部分はロマネスク様式と異なる様式の教会堂が完成。下部聖堂には、彼の遺体が納められた石造りの棺が安置されていて、とても静謐な雰囲気。上部聖堂には13−4世紀の巨匠ジョットの代表作である「聖フランチェスコの生涯」と題する壁画があり、見ごたえがあります。その場にいるだけで、ある種のパワーを得られるような気がします。中でも『小鳥に説教する聖フランチェスコ』の絵はずっと好きな絵のひとつで、部屋にもずっと飾っています。

さすがに迫力があります。下堂は早朝から開いているので、観光客が来る前に訪れるのがおすすめ。静かで厳かな雰囲気に包まれます。

 

教会や修道院内の撮影は禁止されているので、内部の写真はありません。

 

サンタ・キアーラ聖堂 (Basilica di Santa Chiara)

サンフランチェスコの忠実な弟子であったサンタキアーラに捧げられた教会です。白とピンク色の縞模様石でつくられた建物はどことなく可愛らしい。地下室には遺体のほか、生前のキアラの修道衣やシュミーズ、髪の毛、 サンフランンチェスコのサンダルや修道衣等の遺品も展示されています。当時の修道生活をしのばせる粗末で素朴な麻で織られた品々は、ボロボロで、愛しささえ感じられます。

 

サンタ・キアーラ聖堂の広場にある噴水の後ろ(右写真)にあるのはなんと「銀行」です。お金もおろせます。

広場のテラスからの眺め。
カラフルなウェアでツーリングするイタリアのシニョーリたちが通りかかります。アメリカ人の女の子達と記念撮影してました。元気だなあ。。

 

マッジョーレ要塞 (Rocca Maggiore)

アッシジの丘の頂上にあるのが、ロッカ・マッジョーレ。アッシジの町やウンブリアの丘陵地帯が一望でき、一見の価値があります。坂道はそうは険しくもないのですが、夏の日差しを受けながら登らなければならなくて、かなり、かなーりキツくて焦げそう。夏場に行くなら、朝方か、夕方に行った方がよさそうです。

 

ロッカ・マッジョーレへの階段と途中の建物。  

マッジョーレ要塞 と 丘からのサンフランチェスコ大聖堂の眺め。

 

 

 

サン・ルフィーノ大聖堂 (Cattedrale di S.Rufino)

アッシジの守護聖人、聖ルフィーノの大聖堂。フランチェスコとキアーラが洗礼を受けた由緒ある場所であるそう。 ファサードが美しい。広場の隅にある、テイクアウトのピザ屋さんがおすすめ。ご近所のシスターも買いにきます。

ピザ屋さんは、右の建物の前です。

 

コムーネ広場 (Piazza del Comune)

アッシジの中心に位置する市民の憩いの広場。ライオンの噴水は夏場はとてもありがたく、水しぶきを受けるととても気持ちいいです。一角には観光インフォメーションのオフィスがあります。 カフェやレストランで寛いだりと、のんびりとした雰囲気。 広場からサンタ・キアーラ聖堂 やサン・ルフィーノ大聖堂に行く道が伸び、お土産屋やブティックなどが立ち並び、散策やお買物にもグー。

 

広場の噴水。気持ちいいー。

 

サン・ルフィーノ大聖堂に行く道と途中のレストラン

 

ミネルヴァ神殿 (Tempio di Minerva)

コムーネ広場にあり、ローマ時代のミネルヴァ神殿内に教会が入っていますが、内部はロココ、バロッコ様式で、個人的にはTOO MUCHな雰囲気。教会はシンプルで素朴な方が好みです。

 

サン・ダミアーノ修道院 (Convento di San Damiano)

サンタ・キアーラ聖堂東側のヌオーボ門から南へ歩くこと約15分、 のんびりした田舎のオリーブ畑道を歩いていくとサン・ダミアーノ修道院たどり着きます。歩き続けて汗みどろになり、ひんやりとした修道院入り口前のベンチに腰をおろし、しばし身体を冷まします。心地よい涼やかな風に身も心も安らぎます。

 

ここは、サンフランチェスコがここでキリストの声を聞き、すべてを捨てて神に仕えるきっかけとなった場所であり、サンタキアーラが女子修道院を創設し、生涯を過ごした場所でもあるそうです。質素な教会と当時の面影を残した修道院の、漆喰の壁とむき出しの木の梁、粗末な木のテーブルや椅子、厳かで「清貧」そのものの雰囲気には、心打たれるものがあります。 もちろん、サン・フランチェスコ大聖堂は教会建築として、芸術として美しく、すごいパワーが感じられるけど、サン・ダミアーノ修道院の方が、サンフランチェスコの本来の純粋無垢なスピリットが感じられる気がして、穏かな心地よさを感じました。
 

内部では、美しい中庭を見ることもできます。修道院の外を歩いて200メートルほどの駐車場に有料トイレがあり、途中に美しい花々、ウンブリアの丘陵地帯を見下ろすように座るフランチェスコの像が見えます。

↑鎮座するサンフランチェスコ像

バラや野花が咲き乱れる。

 

ここは、有名な詩『太陽の歌 (Cantico delle creature)』を唱えた場所でもあると言います。

太陽・月・風・水・火・空気・大地を「兄弟姉妹」として主への賛美に参加させ、はては死までも「姉妹なる死」として迎えた思想は紀元前のギリシアの哲学や神話、また東洋的な思想にも通じるところがありと言われ、こうしたことから、彼は西洋人には珍しいほど自然と一体化した聖人として、世界中の人から親しみを持って愛されている聖人です。ジョットによって描かれた「小鳥に説教する聖フランチェスコ」に見られるような伝説も有名であり、教皇ヨハネ・パウロ2世は彼を「自然環境の保護の聖人」としたそうです。

 

カルチェリの庵(Eremo delle Carceri)

町から4キロほど離れた山の中にある、フランチェスコが初期の仲間達と瞑想したり祈りを捧げた場所。残念ながら、今回ここまで行く気力体力が尽きました。次回はぜひ行きたいです。

 

サンピエトロ教会

町の近くにある教会では、現代美術をはじめ、様々な展示会が行われているようです。

現代美術?とアッシジの町並み。

 

サンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会 

アッシジ旧市街からバスで5分、国鉄駅の裏手から歩いて5-10分ほどに、巨大なサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会があります。教会の中央に「ポルツィウンコラ 」小さなお堂のようなかわいい教会があり、信者が祈りを捧げています。ここには、ある夜、フランチェスコが、悪魔の誘惑に打ち勝つために何も纏わずバラの茂みに身を投じたが、花はすぐに刺を失い、葉に彼の流した血を思い起こさせる斑が、現れたという伝説が残る「トゲの無いバラ園(ROSETO」)(バラはなく、ガラス越しのみの見学...)があります。 ルーカ・デッラ・ ロビアの作品がある博物館もありますが、開館時間をだいぶ過ぎても開かず(イタリアよー)、列車の時間も迫っていたため、泣く泣く後にしたのでした。

 

旧市街にあるホテルの窓から眺める、鉄道駅のある新市街、遠くにサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会。

 

No.8.... 2008年 初夏  イタリアのスピリチュアルな旅 アッシジその2 映画と雑貨編 へ 2008.8記

 

 

 
 

 

 

 


 

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